n回目の人生

フィクションを交えながら日記を書きます。

海出るはずではなかった

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北海道の、というよりも函館の色彩は極彩色のように感じる瞬間が多々訪れる。

昔、ニュージャージー州の郊外に少し滞在していた時も、それは美しいコントラストに溢れた景色だったし、日が落ちた後の地平線から天頂にかけての群青色とオレンジ色のグラデーションとロードサイドの粗末なピザショップの灯りは、子どもの頃からテレビで見慣れたThe Americaだった。

 

今はもう死んでしまった彼女と、その古馴染みのステフがしばらくぶりの再会をする様子は、互いにサバイバルを勝ち抜いてきたことを称え合うような、アングロサクソン的な明るさがあった。